今年も事故がなく、安全なプールだったと嬉しく思う。当たり前のことではあるが、「安全第一」という言葉は、「水」を扱う職場にいると、体全身で感じてしまう。なので、この営業終了時は、不思議と安心感で力が抜けていく。
この安心感を1分程度味わい、そして今夏最後のイベントへと気持ちを入れ替える。
本業を終え、WAIレストラン裏に集まる22人のメンバー達。
青春真っ只中とは、まさにこの瞬間だ。たくさんのお客様、最後のプールでの仕事、ショーに出演するという喜び。無条件にテンションが上がってくる。緊張よりも気持ちの高ぶりが抑えきれない状態なのだろう。
ここで一人のメンバーが声を出す。監視員を引っ張ってきた男、カシマだ。
「俺のメガホンがない!」
今ごろ気付いたのかよと誰もが思ったが、それが全員の笑いを誘う。
メガホンを取りに行くも、赤いメガホンが何故か足りない。
「しょうがない。カシマは青でいいよ。」
「やった。一人だけ目立つじゃん。」
こんな会話だけでも笑いが大きくなるのだから不思議だ。
ショーの中で一人だけ青いメガホンがいたのは、これが理由。
そしてメンバー全員にショーの流れを再確認する。
「メガホンの演技が終わったら、すぐプールの中のメガホンを拾ってください。その間、不破さんのショートコントが入ります。その後、W'aitショーがあり、タワーを建てて、アンコールが来ればもう一曲。最後は全員でプールサイドにて整列して終了です。以上!」
「うぇい!!」 返事がやたら大きいメンバー達。
MASAの掛け声からスタートする。
「WE ARE 」
全員で
「W'ait!!」
最終公演が始まった。
お客様の間からメガホンを持ったメンバー達が登場し、プールサイドに並ぶ。「学園天国」の曲にあわせ、大声と笑顔でショー開始を盛り上げる。
プールに飛び込み、演技が始まる。ショーに初めて出たメンバーも、気負いすることなく、元気一杯の演技を披露。この一体感が最終公演の良さなのだろう。
しかしここで異変に気付く。全員が「円」になり、右の人から順にメガホンで水面を叩くのだが、その隣の人が一向に動かない。むしろ全員が動いてない。なぜだ。
最初に水面を叩く、いわゆる基準となるメンバーが、完全に振付を忘れていた。
1秒、2秒、・・・
「やべっ」
その声とともに演技が再開する。
わずかな空白の2秒間がすごく長く感じた。
結果的に、この2秒間が一呼吸おいた形となり、良い効果を出したのかもしれないが、これは今日の打ち上げで説教するしかない。だって間違えちゃいけない人でしょ、MASAは。
そんな事を考え、多人数での素晴らしい演技とMASAからの小さな笑いを堪能しながら、メガホンの曲が無事終了する。
不破さんのショートコント。W'aitメンバーはプールサイドに後ろ向きにて並ぶため、不破さんを見ることは出来なかったが、お客様の笑い声はよく聞こえてきた。
「さすが不破さん。」
そう感じながら、この後のW'ait最後の演技に向け、息を整えることができた。
ミキサーのアラカワが絶妙なタイミングで、「100%・・・SOかもね!」を流し出す。W'aitメンバー9人で踊り出す。リハーサル時のカズの笑いはもういらない。最後の演技を、全力で行う。
水中でみんなの顔が見える瞬間がある。
MASA、コウヘイ、ソウスケ、ハチクロ、コズエ、ケイスケ、カズ。
一生懸命の顔が印象的であり、仲間であることの幸せを感じる。
そう考え泣きそうになった顔をした時に、横でニッコリ笑うメンバーがいた。今年も色々助けてもらったなぁ。ありがとう、ヒロカ。
笑顔のヒロカと目があい、感情がこぼれ出す。まだ演技も中盤なのに。
「最後まで頑張ろうぜ。」
なんとかその思いを顔で表現し、精一杯の演技を続ける。
最後の曲は不破さんも入り、10人で披露する。
10人での公演は初めてだったが、通常出来ない技も取り入れ、W'aitショーとして最高の演技だったと思う。
そしてタワーへと移る。
1段目、2段目、3段目。徐々に建っていくタワー。いつもよりも時間がかかり、1段目の人の息が続かなくなりそうだったが、失敗は許されないという思いから、気合で乗り越える。
とうとう頂上のヒロカが立ち上がり、ガッツポーズ。
お客様の拍手が温かかった。
ここで最後の悲劇を味わうことになる。
「ありがとう 2009 W'ait」
皆さんへのメッセージを込めて書いた、洋服ホコリ除けカバーが丸まってしまい、文字が現れない。
MASAの左手、トシの右手、ヒロカの両手で一生懸命引っ張っても、その文字は出てきてくれない。これで終わってしまうのか。
タワーを作っているメンバーの体力も限界が近づき、断念せざるを得なかった。
最後の悲劇には悔しい思いをしたが、これがW'aitの良さなのかもしれない。
プールサイドに整列した時のお客様の声援が、本当に嬉しかった。
盛大なアンコールの声を頂き、本当の最後となる。
曲は「チョコラテ」。昨年盛り上がった曲を密かに練習しておき、アンコールの曲として披露。
最後までプール全体が一つとなった最終公演となり、幕が閉じた。
22人のメンバー全員と不破さんで並び、最後の挨拶。
「ありがとうございました!」
応援してくださった皆さん、WAIスタッフのみんな、一人一人の顔がよく見えて、涙が出てきた。
W'aitは多くの人に支えられているんだなぁ。
この短い夏に、これだけ熱い仲間と一緒に過ごせた事、一生の宝物になると思う。
「青春時代」はいつですかと聞かれても、まだ続いてますって普通に言える自分がいる。そんなW'aitが好きなんだ。
「ありがとう 2009 W'ait」
今年も素晴らしい夏だった・・・。
長々と小説を書き込んでしまいました。
W'aitを応援してくださった皆さん、本当にありがとうございました。
また来夏もW'aitがいると思いますので、よろしくお願い致します。
W'ait・トシ



